Vol.52 Internationalな人を増やそう!

矢澤:

東日本大震災から一年が経ち、先日の3.11は日本国中で追悼・復興の行事がありました
アメリカでも各地で日本復興に対する応援イベントがありました
日本人がこの大惨事で受けた損害や精神的ダメージを少しでも軽減するために世界中の人達がヘルプしてくれることは素晴らしいことだと思います
いまは前を向いて、一人一人ができることをやって、復興に向けて邁進してまいりましょう!
Never give up !!



昨年後半から留学生や企業の研修生がだいぶ増えてきました
やはり、ボーダレス、グローバル化が進む中で、将来、世界を舞台に活躍したい人やすでに世界に進出し、実践で活躍しなければならない企業戦士が増えているからでしょう
彼らの多くは最終的には世界で活躍できるInternationalな人になりたいと思っています



そのために、言葉は重要なファクターの一つです
アメリカなど英語圏で活躍するには英語が必須です
とはいえ、通訳を目指すならまだしも、そうでなければ、なにもネイティブレベルまでの語学力は必要ないでしょう



もっと大切なことはその国の習慣・文化を肌で知ることです
英語だけでしたら日本にいても十分上達します
しかし、習慣・文化についてはそこで暮らさないと身につきません
体験によって現地の常識・世界の常識を知ることが最も重要です
これが、世界で活躍するInternational な人になるための必須条件です
頭の中ではそうしようと思ってはいるものの、実際に留学しにくると現地の習慣・文化をなかなか素直に受け入れられない人が多いことがわかります

日本人は世界でも経済的に恵まれているので、海外旅行の経験を持っている人がほとんどです

どうもその旅行経験で得た俄か知識が現地に根付いている習慣・文化を吸収する上で邪魔をするようです
留学にきて、現地で見るもの身の回りで起こる事象について、旅行の時と混同して、ただ日本を基準に比較・批判してしまいがちで、学習しようとしません
旅行会社が作ったパッケージ旅行と自分の目的を持って現地に滞在する留学とはそもそも目的が違うわけですから、モード変換しなければならないことはおのずと明白です
まずは素直に受け入れるというモード、自分の責任で自発的に行動するというモードに変換しなければなりません


例えば、アメリカ人を観察しますと、彼らはとても単純に見えます
単純というとあまり良くない響きですが、それは全くの誤解です
変換したモードで見ると、アメリカという国は人種のるつぼですから、様々な国の言葉、文化、宗教が混在しているので、わかりやすく、スピーディーに正確に物事を全国民に伝え統制して行くためにはすべてにおいてシンプルでなければなりません
これも、極力問題を起こさないようにするための知恵なのだという解釈になります

またもっとも、日本人と違うところは自発的に行動している人がとても多いことに気づきます 
言い方を変えれば自分の人生をEnjoyしている人が多いということです
アメリカ人は自分の意見を持ちどんな場合でも主張します
それは自衛本能から来るものでもあるのです
日本のように阿吽の呼吸は絶対通用しません
誰の責任なのか、何を認識し合ったのかなんの証拠も残らないからです
自分の意見がない、主張しないということはむしろ怪訝に思われます
自分の意見には自分で責任を持ちます そしてもし何かを勝ち取れば100%自分のものです 日本人だったら、胸を張ってそれは私がやった功績だから私に利益の配分をくださいといいきれる人は少ないと思います 
どうしても周りの目を気にしますよね



自分のことは自分で守る 日本では誰かが守ってくれるという感覚がどこかにあるのではないでしょうか でもその保証は誰かが確約してくれるものでもありません 何となくそう思っています 責任の所在が明確ではないのです

少し挙げただけでも常識の違いがずいぶんあります

一時、日本の常識は世界の非常識と言われた時代がありましたが、今もその状況は変わっていないようです


私の考えですが、こういう世界の常識を肌で感じる体験をされて、それを実践で活かせる人がInternationalな人ではないかと思います
江戸・明治時代には精神的にInternationalな素養を持つ人はたくさんいました
今も留学しなくても、もともとそういう素養を持った人がたまにいます
世界の常識というのは人間として根本的に持つべき良識のことかもしれません
近代国家への変遷の中で何かが作用して、現代の日本人の常識に変容してしま
ったのではないかと思います

だとすれば、また変容していけば良いわけです
新しい風を取り入れて現代の流れに則した風土改革をして行きましょう

こういう世界の常識を肌で感じ取った人たちが増え、日本人の持つ繊細な心遣いや思いやりの気持ちなど日本人特有の素晴らしい文化が合体すれば、鬼に金棒、世界のリーダーとして活躍できるはずです



組織の人材育成においては、自分の主張をしないで何でも言うことをきく人を作ったほうが、管理上は都合が良いと思います
でもこれからもそれでいいのでしょうか?
意見を主張する人間が増えると管理が大変だと思われるのなら、このようなInternationalな人を管理できるもっと高度なInternationalな感覚を持った管理職を育成すればいいだけです


こういった人材作りに取り組まれる企業がたくさん出てきました

日本の未来も明るくなってきたのではないでしょうか

コメント / トラックバック 1 件

  1. M より:

    矢澤さんの文章を読んでいて、そう、そう、その通り!
    と思いながら一気に読みました。

    日本人とアメリカ人の違い、本当にそう思います。
    自らの意見を、相手にどう思われてもいい!
    本当にこうだ!と思ったことは、しっかり言えるようになるといいな・・・と思っています。

    自発的に行動、自分の人生をenjoy している、自分の意見を主張、自分のことは自分で守る・・・

    矢澤さんが書かれている言葉に対して、本当に同感です!

    自分を1番にして、自分が思っていることをしっかりいえるようになる、
    自分を大切にして、自分が思っていることを、言葉に出したり、行動に出せるようにする、
    そして、日本人が持っている配慮の心が加わったら、もっともっとよくなりますよね。

    うまく文章にできませんが、マガジンを読んで、ちょっと思ったことを書きました。

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